春琴抄
日本の作家には文豪あまたあれど、大文豪と問われて真っ先にあがるのはやはり谷崎潤一郎ではないだろうか。とにかく圧倒される。・・・ |
少将滋幹の母
<東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春なわすれそ>
菅原道真が太宰府に左遷され、京を去るときに・・・ |
刺青(しせい) 処女作がその作家の才能・資質をすべて表しているとよくいわれる。私は谷崎潤一郎の「刺青」を読むたびにこのことを思いだす。「刺青」は谷崎が24歳・・・ |
痴人の愛 谷崎潤一郎は悪魔主義者と言われるように、悪魔を描くのがうまかった。谷崎が描いた悪魔の中で最たるものが「痴人の愛」のナオミであろう。・・・ |
盲目物語 美というのはどのような人が本当に見ることができるのであろうか。美を実感できるのは逆説ながら目の見えない人ではなかろうかと谷崎潤一郎の・・・ |
細雪
谷崎潤一郎の作品を読んでいると、その見事な関西弁によって、谷崎は関西生まれではないかと思ってしまうが、実は、谷崎は日本橋生まれの生粋の・・・ |
吉野葛
奈良県吉野といえば日本の歴史の上で何回となく顔を出す。それも歴史が大きく動くときに現れるのである。古くは天智天皇亡き後、天智天皇の弟の大海人皇子と天智天皇の子供の・・・ |
蓼喰う虫
谷崎潤一郎の才能を逸早く見出したのは永井荷風である。荷風は谷崎の処女作である「刺青」を激賞した。以来2人の師弟関係ともいえる友情関係は生涯に渡って続いた。・・・ |
猫と庄造と二人のおんな 小説をいろいろと読んでいると、ときどき人間のあるべき姿とは何かと思うときがある。人間の理想的な姿というのではなく、何となくすわりのよい姿といった感じのものである。・・・ |